社会福祉は暴力を抑えられる?死にたいなら一人で死ね論争
無差別殺傷の痛ましい川崎の事件から、少し日にちが経ち「自殺したいなら一人で死ぬべき」という論について色々と飛び交っている。
当然その反論として「社会制度の充実」「寛容さ」がこうした身勝手な暴力的な凶行を防げるというのも発信されている。
本当にそうか、高度な社会福祉の制度の国の事例に述べていきたいと思う。
社会福祉と寛容さは、暴力を抑えられるか問題
事件直後、事件に関する情報が「犯人は死亡」以外あまりになかった時の記事が話題だ。
類似の事件をこれ以上発生させないためにも、困っていたり、辛いことがあれば、社会は手を差し伸べるし、何かしらできることはあるというメッセージの必要性を痛感している。
さて、この記事の内容によれば「社会福祉と寛容さ」が、テロまがいの身勝手な暴力、それが引き起こす事件を防げる、という論調だ。
果たしてそうだろうか?
単独犯で世界最多の犠牲者の殺人事件が発生した国は?「ノルウェー」です
世界屈指の社会福祉大国で、幸福ランキングではベスト3常連。
しかし、単独犯の世界最多の犠牲者を生み出す事件が「ノルウェー」から発生したのは皮肉で、しかも興味深い。
ノルウェーは社会福祉国家
税率が高い事に加え、潤沢な資源が、高福祉を支えている。
一言でいえば「明日への不安のない社会」。例えば自分や子供が病気で出勤できないとき、有給休暇を使う必要はありません。
失業すれば失業保険が最大2年間、最後のお給料の最高70%が支給されます。
病気やけがで休職する場合は、最初の2週間は雇用主が、それ以降は国が手当を支給します。
教育は基本的に無償で、大学でも在籍登録にわずかばかりのお金がかかるだけです。産休・育休は男性と女性合わせて最大1年間保証されています。
これぞ、福祉大国、といった形だ。
ノルウェーは、超寛容政策国家。移民の地方参政権すらある
以前の記事でも、ちらっと書いているが、EU諸国には属してはいないが、EUからの人の出入りは自由化されている。
また、移民もある程度の期間定住すれば、参政権が与えられる。
すなわち、超寛容政策をしている。
刑務所も、住み心地と環境が重視されている。
これは当の凶悪殺人者が入っている刑務所。
罰ではなく、愛と思いやりを教える場らしい。
おまけ:フィンランドも銃乱射事件発生率4位と上位国
ノルウェーだけが例外か?
おなじく世界屈指の社会福祉国家で幸福ランキング上位常連、加えて言うなら子供の学力ランキングでも上位常連の「フィンランド」を見てみると、大量殺人事件の一つ「銃乱射事件」の人口発生率は4位と、こちらも上位常連国である。
ざっとニュースヘッドラインを辿ると、色々と出てくる。
- フィンランドで銃乱射、政治家とジャーナリストが死亡 銃規制強まる中で惨劇 | ハフポスト
- フィンランドの職業訓練校で銃乱射、容疑者を含め11人死亡 写真15枚 国際ニュース:AFPBB News
- フィンランド銃乱射事件、生徒7人と校長が死亡 実行犯は自殺 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News
結論:社会福祉制度は暴力を防がない
充実した社会福祉制度は、少なくとも今回の川崎の事件に類似する「身勝手」で「無差別」、そしてコミュニティそのものに向けられた暴力に関して、社会福祉は全く関係ない事が分かる。
愛や社会の手助けが、もしこういう大量殺人を伴う表現を消せるという意見があるが、その事例はなくイメージでしかないというのが現状だろう。
(一応補足すると、ノルウェーやフィンランドは殺人事件発生率的には、世界的には高くはない。もちろん、日本より高いのは間違いないが)
コミュニティ攻撃的な人間から防衛するという意識が大切では
そもそもハナから友好的なコミュニケーションを取るつもりのない人間を、コミュニティに入れない、コミュニティから除外する。
以前の記事でも述べているが、安全の確立という点では、これが最適な気がする。
さらにこれは「引きこもり・ニート」というだけで犯罪者予備軍でないことを意味する。
問題はコミュニティに対して「攻撃的」か「攻撃的でないか」だけだ。
コミュニティ攻撃的でない「引きこもり」「ニート」
コミュニティ側から社会福祉を持って、なんとか支援する対象。
コミュニティ攻撃的な「引きこもり」「ニート」
巻き添えになるのはごめんだから、「死にたくなったら一人で死ね」が正解じゃなかろうか。
加害者側に寄り添うのは逆効果ではないか
別のブログでも書いたが、「身勝手な暴力を行うテロ行為のメッセージを社会は受け取らない」はテロ対策の一つであるわけで、無差別殺人者の背景に寄り添うのはいかがなものかと思う。
















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