フォートナイトEPICGAMESのアップルAppStore訴訟の件【ゲーム考察】
フォートナイトやゲームエンジン「UnrealEngine」で知られるEPICGAMES社とアップルのAppStoreの対立が話題だ。
事の発端はフォートナイトが「AppStore」以外の決済を使ったというガイドラインに違反する件で停止をくらった件について、すぐさまAppStoreに対し訴訟とアップルに対する挑発CMを展開するキャンペーンを行った。
さらにアップルはこれに対し「UnrealEngine」で作成された全ての他社アプリに対してもガイドラインの違反関係なくサポートを打ち切る旨を通告。
これに対してMicrosoftやfacebookがアップルに対し異を唱える形になっている。
※なお、最新のニュースによればUnrealEngineは無事とのこと
実はGooglePlayからも停止されているのだが、アップルに対しこのタイミングで訴訟やCMを用意しているあたり、EPICGAMESは意図的で計画的に元々AppStoreを訴えるつもりでやったのだと思える。
2012年頃からAppStoreでのアプリを業務として運営してた僕も、その気持ちもなんとなく分かる。
今回はAppStoreの訴訟に関する流れと、なぜ、AppStoreに対して恨みのようなものを抱えているのかを考察・推測していく。
アップル(AppStore)許さんぜよ系:アプリ運営会社のストレス
特にAppStoreのTierによる価格改定は幾度も混乱をもたらし、そのコストはアプリ提供者が受けてきた。
「海外とかで、よくこれ訴えられないな」と思ったものだ。
EPICGAMES社がアップル社訴えたのも、今回のフォートナイト停止の件だけではなく、こうした今までのフラストレーションが起因しているのではないかと推測している。
AppStoreが勝手に金額レート変更しちゃう問題
AppStoreは値段を自由設定することができず、Tierと呼ばれるレート帯?みたいもので価格設定を行う。
例えば1Tierなら80円という具合だ。
アップルはこの設定できる1Tier毎の値段を独自に勝手に変更することができる。
そのせいで何が起こるか。
例えば80円→100円と価格か変わった時に、下記のようなボタンがあったとしよう。
課金石 80円(ボタンは押せません)
このボタンを押すと、AppStoreの購入確認画面では「価格:100円」と記載されてしまい、実際のゲーム画面とずれが生じてしまうのである。
「〇時に変更予定です」とピンポイントに時間を指定しないこともあれば、「〇時以内に変更予定です」と事前通達したかと思えば、その時間を告知なくオーバーしたりする。
そのたびに、その損害を被るのは運営側であり、会社であった。
その混乱する様子はメディアを通じて今も知ることができる。
2013年改定時
事前通告なく、LINEやパズドラの価格が上がった。
2015年改定時、事前告知あり
珍しく事前告知があったケース。
【パズドラのニュース】
【セガ「MJ」のお知らせ】
2019年改定時、事前告知するも時間通りに反映されなかった
記憶に新しい、一部変更後の新価格帯に反映されなかったために、混乱が発生したケース。
ただし一部のタイトルでは価格の反映がされておらず、ショップ販売において一部制限が発生したり、メンテナンスの延長などが行われているようだ
App Store、価格改定が反映されず 『FGO』など複数のタイトルでメンテナンス延長や一部アイテム販売が停止に | Social Game Info
モンスト(モンスターストライク)でも混乱することとなった
勝手に課金者をロックするAppStoreのシステム
2012年前後のガチャゲーやってた人なら分かると思うが、当時、ガチャのために何度も課金を行うと、自動でAppStoreが課金者に対してロックを行うことがある。
理由は不明。(多分、セキュリティ?カード盗まれたケースを想定しているのでは?と思ったことはある)
当然、これら理由不明のロックに対してサポートコストを使ってきたのがアプリ運営側。
もちろん、AppStoreサポートに言わないと絶対解けないのでそちらに案内するんだが、Storeがスムーズに対応してくれれば良いものの、そうでないケースもある。(ユーザーのせいなのかStoreのサポートのせいなのか分からないが)
期間限定物の課金ができなくなるというユーザーにとってもマイナスであり、運営者にとってもマイナス。
そして、Storeがスムーズに対応しなかったケースのクレームは運営者側に行くので、運営者のコスト莫大なのである。
EPICGAMES社がアップル社を計画的・意図的に訴えるつもりだったと推測できる理由
冒頭でも話したとおり、EPICGAMES社はアップル社を意図的に計画的に訴えるつもりだったのではないかと話した。
それは上記の私怨的な話だけではなく、時系列的にも推測することができる。
2019年から現在にかけて、アップルのAppStoreは独占禁止法ではないか?と世界中で訴訟や調査が展開されることになる。
現在のアップルのAppStoreは、この辺りに関して非常に隙がある形なのだ。
2019年アメリカ消費者団体
原告の消費者団体は、アップルがApp Store以外でのアプリ配信を認めないことが独占禁止法違反であり、高額なアプリ手数料(いわゆるアップル税)を徴収していることが独占権の行使だと主張しています。
米最高裁、App Store独占禁止法違反訴訟の継続を認める。アップルは「いかなる意味でも独占的ではない」と反論 – Engadget 日本版
2020年EU独占禁止法違反の調査依頼:Spotifyを筆頭にAppStoreに対し申し出
App Storeについての調査は、特にアプリ内課金(IAP)のシステムに関するものと、アプリ開発者がiPhoneやiPadのユーザーに、アプリ以外での購入のための代替案を提供することを制限していることに関するもの。
音楽配信のSpotifyからの訴えのほか、電子書籍サービスやオーディオブックの事業者などからの申し立てを受けた調査。App Storeのルールが、EUの競争法に合致しているかを調べる。
なお、これを受け、アップルも声明を出している。
最後に:EPICGAMESはこの流れに「派手に」乗っただけと見る
こうした流れで見ていくとEPICGAMESはこの流れに「派手に」乗っただけと見える。
そして、その理由は上述した「運営者側のフラストレーション」に起因するのではないかと推測している。
もちろん、こうした神々の対立はフォートナイトを中心に、ユーザーがただ巻き込まれ不便を強いられる形になるのは間違いない。
これを機にiOSフォートナイトユーザーはPCゲームに移るのが良いのではないか?
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