芥川龍之介の河童を考察する(感想文)
有名な作家「芥川龍之介」に「河童」という、これまた有名な作品があります。
この作品は、芥川龍之介が「だた将来に対するぼんやりとした不安」という有名な言葉を遺して自殺した年に書かれ、その不安を色濃く表した作品ともされております。(そのため、芥川龍之介の亡くなった日を河童忌とも呼ぶ)
今回はこの主人公(?)である語り部について考察していきたいと思います。
河童あらすじ
まず作品の内容は下記の通りです。
- 精神病院にとある患者がいる。
- その患者は誰にでも「河童の世界に行ったことがあり、その世界のこと」を話す。
- 河童の世界の話をする。
- 最後、終わり。
語り部は猟奇的犯罪者か?
まず、そう思わせる部分を引用します。
しかし河童の国から帰ってきた後、ちょうど一年ほどたった時、
僕はある事業の失敗したために……
(S博士(はかせ)は彼がこう言った時、「その話はおよしなさい」と注意をした。
なんでも博士の話によれば、彼はこの話をするたびに看護人の手にもおえないくらい、
乱暴になるとかいうことである。)
キーワード
- 語り部は最終的に河童の世界のしきたりが正しいと感じている。
(河童の世界こそが故郷と思っている) - 河童の世界では、解雇した従業員をオーナーが殺して食べる。
- 語り部は河童の世界からの期間後、事業に失敗している。
- 語り部は汽車に乗ろうとして「巡査」に捕まっている。
- 事業に失敗して・・・の後、ドクターから制止が入る。
(おそらくは人に対しての殺意が沸くのであろう)
以上から読み解くに、この語り部は従業員に対し、猟奇的殺人を行った可能性、もしくは行おうとしても未遂で終わって捕まったか、そのどちらかではないでしょうか?
そしてこれこそ、作者が精神病について最も恐れていた事柄ではないだろうか?
(最後に語り部の話す河童の世界はすべて彼の壮大な妄想であり壮大な妄言であることが分かる描写があり、いかに精神病が恐ろしいかが分かる。)
そんな感じでこの作品を読み終えました。
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