日本の幸福:若者の自殺問題は引きこもりニートの末路?
よく「10代、20代の若者の自殺率が他の海外と比較すると高い」ということが、「将来に希望を持てない若者が多い」という内容で紹介されることがある。
事実として若者層の死因1位は自殺で、自殺率も高い。
また、関連して「日本の幸福度が他の国々に比べると低い」という話題もよく上がる。
3月は自殺防止月間らしいので、平成最後の自殺防止月間としてこの自殺について調べてみることにした。
学生での自殺は大学生がダントツでトップ
出典:平成29年中における自殺の状況(警察庁より)
学生期間中は、大学生の自殺率が極端に高くなる。
特有の就活自殺があるからと思ったが、就活自殺の割合は10%であり、さほど高くない。
就活自殺とその他の自殺理由について
自殺原因は不明がトップ。
よく話題になる就活自殺は、実はそれほど割合は高くない。
理由としての割合はその他、精神疾患(うつ病とその他の精神疾患)と学業不振、進路の悩み、就活失敗、と続いていく。
うーん、大学生病みすぎ。
20代の無職以外の自殺要因について
上記によると、20代、30代の有職者は「うつ病」の他「勤務問題」(仕事疲れ、職場の人間関係、仕事の失敗)での自殺理由が多いことが分かる。
つまり、仕事上なんらかの理由でパフォーマンスがでない、まぁ、もっと直接的に言うと「仕事ができない人が自殺を選ぶ」という構図になっている。
無職の自殺者の多くは「引きこもりニートの末路」
10代~50代で言えばこの「その他の無職」が無職による自殺の7割以上を占めている。
この「その他の無職」については、かつて時事通信の記事で、下記の内容の記事が掲載されていた。(現在はリンク切れ)
主婦や求職者を含む20、30歳代の自殺した無職者2526人のうち、引きこもりや就職の準備をしていないニート(若年無業者)など「その他の無職者」が7割以上の1812人に上った。
具体的な内容は下記のブログでまとめられていた。
日本の高い自殺率は「引きこもり・ニート」の末路ではないかと思った。
推測:日本の世界的に高い若者の自殺率は引きこもりとニートの末路が支えている?
あまり語られていない引きこもり・ニートの「末路」。
もし、日本の自殺率が高い、というのであれば、世界に比べて日本がニートや引きこもりが多いのかもしれない。
そういえば、BBC(英)は「日本人は引きこもる人が多い」という形で記事にしたことがある。
一定数はいそうな気がするものの世界的に見て、この「引きこもり」という現象は珍しいのだろうか?
追記:最近、高齢者引きこもりニートも多いことが報道された
確かに、上記の表でも60代の「その他の無職者」の自殺の絶対数は20代のそれを上回る。
50代はもっと多い。
もし、国際的に「引きこもり」という現象が珍しいのであれば、日本の自殺率が高い理由の一つにあるのかもしれない。
まとめ:「健常者で働けないなら死ぬしかない」「生きる価値がない」という考え方が原因では
これらのことを総合すると「働けないなら死ぬしかない」という共通の概念が垣間見える。
仕事で無能ならば、そしてそもそも、それ以前の問題で働けないなら生きる価値がない。
あまり仕事ができない僕に言わせてもらえば、まぁ、この気持ちは分かる。
資本主義の敗北者という感覚。
「仕事ができない無能者でも自由に生きれるよ」という考え方が世の中に広まらない限りは、日本の幸福度や若者の自殺問題は、解決ができない。
ただ、無能者は敗北するのみ、という考え方が、この経済社会の中で否定できないのである。
少し言葉に変更すると「頑張る者は報われる世界」=「頑張れない者は生きられない世界」なのだ。
自殺率の低い先進国は、この辺りのマインドはどうなんだろうか?
そこに世界的に日本の高い自殺率と低い幸福度が関係していると思われる。
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