IGNJよく言った!東洋経済のスプラトゥーン2中毒記事への反論とゲームデザインについて
東洋経済がスプラトゥーン2を例に出し、ゲーム障害について繋げた記事に対し、IGNJが明確な反論記事を行った。
東洋経済の記事は下記リンク
IGNJの記事では東洋経済の記事の問題で下記のように挙げている。
『スプラトゥーン2』はガチャもないし中毒性という意味では心もとないし、そもそも任天堂はいわゆる現金を使うガチャを採用したスマートフォン向けタイトルを複数展開している。にも関わらずああいった記事にしたのは、そもそも『スプラトゥーン』で問題が起こるということを結論に、強引な論拠を導きだしたからではないか。
その証拠として、明らかな論理的欠陥もある。この記事で問題視されているのは、「味方に対して罵倒を繰り返す父親」と「味方に激高しゲーム機を叩きつけた小学生の女の子」の2点だ。つまり味方に対して文句を言うため言動が荒れているという部分が問題なのであって、仮にガチャだのギア集めに依存することがあったとしてもそれはまた別の問題だ。そして問題の原因をゲームにだけ求めるのは、明確に論点のすり替えである。
概ねの指摘はIGNJの記事内にあるので、その他で気になった部分について触れたいと思った。
買い切り型ゲームはクリアしたら飽きるように作られているか
旧来の一般的なゲームは、「買い切り型」と呼ばれているゲームシステムになっており、一定のボリュームのゲームをすべてクリアして終了、という仕組みだ。つまり、ゲームを買った息子や旦那がゲームに夢中になっても、いずれは終わりがくるし、長時間ハマればハマるほどクリアまでの日数は急速にカウントダウンされていく。
「買い切り型ゲーム」はクリアしたら飽きる?ビジネスとしての視点から
問題の東洋経済の記事では「買い切りタイプのゲーム(従来タイプ)=クリアしたら飽きる」という構図を提示していたが、これはネットワーク以前の従来タイプのゲームでも、なかなか当てはまりにくい認識だと思う。
これはおそらくその当時から、ゲームというのはビジネス的な都合により、「リプレイ性」を求められるようになったため。そのため、クリアしたら終わり、という要素を持つゲームを求められるの方が少ない。
中古やレンタル回避のため
日本のゲームでは「中古問題」があり、早々に中古が出回ると新品ソフトの売り上げを食ってしまうため(小売店からの発注がその分消える)クリアしたら終わり、という設計はそもそもゲームデザインとして受け入れられなくなっていった。
これはもう何十年も前のことである。
海外のゲームにおいても同様で「ゲームのレンタル制度」が認められている国が多いため、同じようにゲームとして長時間プレイのボリュームが当たり前のように作られ、メディアによってはそれが一つの「指標」になることすらあった。
これらの長時間プレイさせるゲームデザインはゲーム障害を生むか?
上記のようにゲームはそのビジネス上、長時間プレイを考慮したデザインを昔から行ってきたし目指してきた。
ではこれがゲーム障害といわれる依存症の要因かどうかと言われると分からない。
(しかし、一要因と考える人がいても不思議ではないし、事実、長時間プレイ+射幸心を煽る構図は中毒の発生要因の一つ。)
ゲームのデザインは、タバコのニコチンのような依存性物質ではない。
そこから依存性についての部分の原因を推測すると、ネット依存症やギャンブル依存症のような、心理的、精神的、そして本人の性格的なものに由来するはずではないかと思う。
ついでに言えば、治療法もそれらを断捨離させた生活に慣れさせる、という従来的なものになると思う。
ゲーム中毒問題は、ゲーム中毒になりやすい人格の人へどうアクションをとるか、が問題だと思う。
少なくとも、スプラトゥーンのゲームデザイン性は、割と論拠がずれている。
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